Founding prospectus設立趣意書

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21世紀を展望する我が国最大の課題は、国際社会の信認を得てその責務を全うしつつ、世界にかって例を見ない急速な高齢化の進展に適切に対処すると共に、我が国特有の土地問題の解決を図り、経済構造の変革を推進していくことであろうと考えます。

住友信託銀行株式会社は、創業以来、多様な信託制度の開発と普及を通じて、各時代の要請に応じ国民的課題の解決に微力を捧げてまいりましたが、昨今、我が国経済社会の成熟に伴い、年金信託や土地信託の事例にみられますように、信託制度も新たな発展の契機を見出すに至り、その活用に対する社会の期待と関心は高まりつつあります。

しかしながら、古代ローマに芽生え、欧米に置いて生長、開花を遂げてまいりました信託制度の我が国における研究の歴史と現状を顧みますと、基礎的、学術的研究においても、また応用的、実務的研究においても未だ十全とは言い難く、信託制度の広汎な普及と本格的な定着には、さらに広く英知を結集した体制の整備が急務と常々痛感するところであります。

このような中で、住友信託銀行株式会社は創業60周年を迎えました。そこで、これを記念するとともに、創業の精神に回帰し、信託制度の普及と発展を通じて社会、公共に奉仕するという経営の理念をさらに昂揚するに最もふさわしい事業として、このたび「財団法人トラスト60」の設立を決意いたした次第であります。これにより、我が国における信託制度の一層の普及、発展に資する調査、研究を実施し、優れた研究や活動に対して助成を行うと共に、さらに広く信託制度の活用にかかる基盤整備ならびに国際交流のための事業を行い、もって内外均衡のとれた我が国経済の発展と国民生活の質的向上にいささかなりとも貢献していきたいと念願するものであります。

昭和62年3月27日
住友信託銀行株式会社
(現 三井住友信託銀行株式会社)

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